the End / The World

メインストリートを少し外れた細い路地。
名前も無いオンボロのビルの地下の先に、寿命を終えた蛍光灯と猫と 日差しを嫌った階段を降りた先に物語が見える。
3人の共同経営者から始まった「EL・WAKT」は安息と付けられたBar。
2か月前に3人の内1人が姿を消した事で歯車がおかしくなった。
姿を消した洋平はその権利を龍二に全てを渡した。
新たな体制では当然上手くは行かない。
大きな傷跡を残し、夏が来て、セミが誰かの代わりに鳴いてくれるだけであった。
僕らはいつも本当のことを見つめる力が足りなかった。
公園のシーソーに乗って向こう側にいる誰かと動いて初めて分かる様に、
誰かと世界を動かしているんだって知らなかったんだ。
「1つの終わり。それは世界のように」
あれはどんな意味だった？物語はここで起きた事。この夏に…。